WOW -Witness Our World- Photographer Hiroshi Yamauchi
Urban Species JAPAN 2007

都市の生態

近代化、欧米化の進んだ国々の都市部では人々の暮らしは殆ど画一的と言っていい。
都市生活の要素である公共交通機関や高層集合住宅、煌めく複合商業施設、地表を縦横軸のゼロとして縦横斜めに走るエレベーターやエスカレーター、それら都市の細胞、内臓である人工物はそこに住む人々の生活を大いなる反復のサイクルにはめている。
人工の構築物は注意深く計算された角度によって自然と人工の光に照らされている。
都市の住人達はその設計図の中に組み込まれ一見すれば完璧を期したジオラマにはなり得るが、個々は形骸化されて無機的だ。
「大都市」と呼ばれる空間では、かつて個々に対しての許容が広かった。
唯一の、や、なりたいモノになれる、といった動機を胸にやって来る雑多な種族を受け入れる空間として。
しかし、現在の都市部においては「私が誰」で「あなたが誰」ということに拘る意味と理由が無くなりつつある。
都市部の住人達は巨大な人工物としての、カネや大量消費文化を産んだり喰ったり排泄する器官としての都市を回す為に細部にまで浸透した歯車だ。
その生活は個々の意志ではなく環境によって決定されているように見える。
都市の住民達はそのシルエットによってのみ存在を証明し得る。
物質的には満たされ、見せかけの華々しさに彩られた都市部の毛細な部分で蠢く無名の住人達は、都市という大きな生体の中であまりにアンバランスであり、有機的すぎる。

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